ペルシャ絨毯

数多くある絨毯の中で、良いものを見分ける目を養うためには、実際にペルシャ絨毯を扱うお店に出向き、できるだけ多くの絨毯を見ることが大切です。様々な絨毯を繰り返し見ていく中で、自然と質の良いもの、あまり良くないものの区別がつくようになります。

良いペルシャ絨毯を見分けるためのポイントを確認しておきましょう。ペルシャ絨毯は、一つ一つ手作業で糸を結んでいくことにより作られていきますが、この結び目が多いほど完成までには時間がかかり、その分高価になると言われています。1㎝?の中に数えられる結び目は、ノットという独特の単位で表されます。ノットが多いと織り目の細かい良い品質の絨毯だという訳です。ここで注意しておきたいのは、すべての絨毯において、この判断の仕方が当てはまらないということです。ペルシャ絨毯の中には、意図的に織り目を少なく仕上げ、図案をシンプル化したものも存在します。主に遊牧民族の間で伝統的に織られている絨毯がこれにあたりますが、素朴で力強く、決してノット数の多い絨毯に引けをとらない素晴らしいものです。日本でも人気があり、好んで取引されています。

ペルシャ絨毯を販売しているお店で、絨毯の裏側を確認している人を見かけたことはないでしょうか。これは、良いペルシャ絨毯は、裏側にポイントがあるとされているためです。自然の染料で染められ、丁寧に緻密に織り込まれた絨毯は、表と遜色がないほど、裏側の図案もきれいに出ています。粗悪なものは、裏側の始末がきれいではありません。

絨毯の歪みや織り目の細かさ、見た目で分かるポイントの他にも、絨毯ならではの重大な要素があります。それは、手触り・肌触りです。最高級のシルク・ウールで織られたペルシャ絨毯は、明らかに手触りが違います。絨毯のことをよく知らないという方の場合は、手触りを確認してみるのが一番確かな絨毯の見分け方と言えるかも知れませんね。

ペルシャ絨毯は、見た目の美しさはもちろんですが、絨毯を使う人の心に癒しと和みの気持ちを与えてくれるという価値もあります。でなければ、日常生活を営む上で、必要不可欠なものとも言えない絨毯の需要がこれほど高いものとはならないでしょう。決して安価とは言えないペルシャ絨毯ですが、それだけの価値があるものと購入する方達は感じているはずです。数あるペルシャ絨毯の中で、心を惹かれる魅力的な絨毯に出会えたなら、それがあなたにとっての、最高級に良い絨毯になるのだと思います。

[event]