ペルシャ絨毯の制作過程

ペルシャ絨毯が出来上がるまでには、大きく分けると、5つの工程が必要となります。まず、素材となるウールやシルク、コットンを用意すること。絨毯のデザイン、図案を考えること。そして、素材に染料を施すこと。絨毯を織ること。最後は仕上げです。この章では各工程について、詳しく説明していきたいと思います。

絨毯の素材を用意する

上質なウール上質のウールは、寒さの厳しい土地、イラン北部の山岳地方から産出されています。脇腹、肩の部分の毛がより品質の良いものとされるようです。カシュガイ族他、多数の遊牧民族が育てるペルシャ羊の毛は、踏みしめても毛が寝たままになることはなく、耐久性に優れた強いウールだと定評があります。収穫された羊の毛は、汚れや脂分が落とされ、糸に紡ぎます。絨毯に使用されるシルクは、マザンダラン地方やカシャーン地方のものがよく知られていますが、現在では中国産のシルクが使用される場合もあるそうです。品種改良が進み、より良質のものとなったコットンは、イランのいたる場所で生産されています。

絨毯のデザイン

絨毯のデザインは、部族の中で昔から伝統的に受け継がれてきたものと、それ意外のものに分けることができます。通常、一般的な工房で作られる絨毯の場合は、専門のデザイナーが図案を描き、各部位の色を細かく設定します。その図案を元として、織り手が絨毯を織っていくことになります。

染色

ペルシャ絨毯の最大の魅力、美しい色彩は、糸の染めが重要なポイントとなってきます。ペルシャ絨毯に使われている糸は、何種類もの美しいカラーに染められています。材料の調合や染色法の違いによって、同じ色でも差が生まれます。絨毯の染め職人たちが秘伝として受け継いできた、それぞれの染色方法により、作られる絨毯にも個性が出てきます。現在では、コスト削減のため化学染料が使用されることもありますが、昔からの自然な素材を使った染め方にこだわっている工房も多数あります。アカネや藍、胡桃や葡萄、柘榴、貝類や昆虫まで使用されることもあり、現在では確保が難しくなった素材もありますが、天然素材から生み出される色合いは、化学染料とはまったく違うため、素材へのこだわりを守っている職人も多いのでしょう。天然の素材で染められた糸は、長い年月を経過していく中で、色あせとは違う、より深みのある美しい色調へと変化していきます。自然の染料で染められた糸の使用割合が多いほど、コストも高くなるようです。

絨毯を織る

ペルシャ絨毯の制作過程

ペルシャ絨毯の複雑なデザインは、パイルと呼ばれる糸を織り子が一つ一つ手作業で結び付けていくことにより、作られています。結び目が細かく多いほど、絨毯の品質が良いものとされています。ペルシャ絨毯の結び方は、ペルシア結び、トルコ結びの2種類があります。

仕上げ

織りあげられた絨毯は、作業中についたホコリや無駄な毛を取り除くため、鉄金具を使って洗われます。絨毯を洗うことで、より柔らかな仕上がりになります。洗い上げられた絨毯は、石の上に敷いて、太陽の下で自然乾燥させます。乾燥に時間がかかると、絨毯の品質が低下するため、より短い時間で乾燥させることがポイントとなります。その後、物干しにかけられて、最終的な乾燥が行われます。ナイフ状の道具で絨毯の表面を平らに揃えて完成となります。

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