ペルシャ絨毯のサイズ

ペルシャ絨毯のペルシャとはかつてのペルシャ王朝現在のイラン周辺の地名を差し、そこで生産されている手織絨毯の事を言います。
ペルシャの歴史や思想から発展した文化で、高い芸術性を持つ美術工芸品です。ペルシャ絨毯は時間も労力もかかる大変貴重なもので、絨毯は敷物として床に敷くだけでは無く、タペストリーとして壁に飾ったり、テーブルクロスとしても用いられていました。日本でも祇園祭で使う古い山鉾に飾られたペルシャ絨毯を見ることが出来ますね。

ペルシャ絨毯は、そのサイズや形状によって呼び名が決まっています。絨毯の産地によって、サイズや丈と幅の比率に誤差はありますが、ペルシャ絨毯の流通販売に関わる人たちの中では、日常的に使われている名称です。
正方形の絨毯をスクエア、円形をラウンド、楕円形をオーバルと呼びます。ペルシャ絨毯は長方形型がほとんどです。正方形型は、あまり生産されていません。円形、楕円形タイプは少ないですが、生産はされています。ミニは、座布団に程よいサイズ、ボシティやザロチャラク、ザロニムは玄関マットとして使用される方も多いようです。ドザール、バルデ、キャレギ、ガリは、部屋の大きさに合わせてリビングマットとして使用できそうです。細長い形状のケナレは、廊下の敷物としても活用できます。

ペルシャ絨毯は大きさによる分類で60センチ×90㎝のものをポシティ、80㎝×120㎝のものをザロチャラク、100×150㎝のものをザロニク、150センチ×200㎝のものをドザール、150センチ×250㎝のものをバルテ、200×300㎝のものをガーリィ、そのほかにも250センチ×350㎝、400センチ×600センチなど大型のものや正方形のモッパラ、楕円形、円形のもの、廊下に敷くケナレなど細かく分類されて、ちゃんと一つ一つに名称が付いています。日本でいう半畳・1畳・一間という名称と同じような意味合いのペルシャ語がつかわれているという認識でよろしいかと思います。

ポシティは、小さいサイズを示し主に玄関マット用。ザロチャラクの「ザロ」はペルシャ語で1メートルに近い長さを表し 「チャラク」は1/4を表すので、 ザロ・チャラクはおよそ1メートル25センチ前後の長辺を持つ絨毯のサイズの名称になります。こちらも玄関マット用やまたタペストリーにも使われます。ザロニムの「ザロ」は同様にペルシャ語で1メートルに近い長さを表し、 「ニム」は1/2を表すので、 ザロ・ニムはおよそ1メートル50センチの長辺を持つ絨毯のサイズの名称です。ドザールの「ザロ」はペルシャ語で1メートルに近い長さを表し、「ド」は2を表します。 ですからドザールはおよそ2メートルの長辺を持つペルシャ絨毯のサイズの名称です。

そのほかガーリィは大きな絨毯のサイズを示し、リビングや食堂、広い玄関のお宅では2×3mを使う事もあります。 建物のエントランスや大きいものではホールなどで豪華さを誇る敷物として使われます。円形はテーブルの下や、部屋のコーナーのアクセントとして小さなものは花器の敷物や座布団としても用いられます。また日本では廊下サイズに丁度良いケナレはイランでは元々大きな絨毯と並べて、広く床を覆うように使われるそうです。 地方の部族物にはこの長い矩形の絨毯が多いです。 くるくる巻いて絨毯を持って運ぶ遊牧民にとっては、作るにしても、 運ぶにしてもこの形が理にかなうのですね。

名称・(形状)サイズ
ミニ(正方形・長方形)約40×40cm
ボシティ(長方形)約60×90cm
ザロチャラク(長方形)約120×80cm
ザロニム(長方形)約150×100cm
ドザール(長方形)約200×135cm
バルデ(長方形)約250×170cm
キャレギ(長方形)約300×200cm
ガリ(長方形)約400×300cm以上のもの(400×400・400×600)
ケナレ(長方形)約480〜600×100cm

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