ペルシャ絨毯の正しい選び方お手入れ方法や安く買える展示会イベントをご紹介します。

ペルシャ絨毯の主要産地

ペルシャ絨毯の産地

手織り絨毯の歴史は非常に古く、3,000年前とも5,000年前とも言われています。日本の弥生時代や縄文時代にもう絨毯の原型が生まれていたわけですね。元々絨毯は中央アジアの遊牧民族が寒さを凌いだり、埃をよけたり、布団代わりに、またテーブル代わりにと、生活必需品として生きる為に、自分達が育てていた羊から刈り取ったウールを使って織って作る手織りの織物だったのです。
その手織り絨毯が長い年月をかけ洗練されていった最高峰がペルシャ絨毯です。ペルシャ絨毯は現在のイラン・イスラム共和国で織られた絨毯の事を言い、品質・価値・歴史・製作枚数・産地の豊富さなどどれをとって見ても群を抜いています。現在、ペルシャ絨毯は5大産地と呼ばれる代表的な生産地とローカル産地が存在します。
イランでは、ペルシャ絨毯が生産されている町や村は非常に多く、生産地によって絨毯のカラーやデザイン、染め方などにも違いがあります。この章ではペルシャ絨毯の主な産地とその特徴について説明したいと思います。

○イラン北西部

タブリーズ

タブリーズタブリーズは、テヘランの北西約620kmに位置するオアシスの小都市で、東アゼルバイジャン州の州都です。イランの絨毯産業では最も近代的といわれ、徹底した品質管理で高い評価を得ています。古くから交易の地として栄えたタブリーズは、19世紀、ペルシャ絨毯の生産復興で重要な役割を果たしました。
アゼルバイジャン州の州都で、標高1360mに位置します。タブリーズの絨毯の魅力は、その色彩にあるとも言われます。ベージュや深いワイン色、モスグリーン、ブルー、ペルシャ絨毯では珍しい漆黒など、シックだけれど鮮やかな色彩は、宗教画のような美しさを感じさせます。風景や人物、外国の影響を受けたと推測される花模様など、斬新なモチーフでも知られています。

タブリーズの絨毯はヨーロッパ市場を見据えたため、幅広いデザイン開発がなされ、代表的なコーカサス風の幾何学模様や動植物を巧みにアレンジしたデザイン以外にも、ヨーロッパの影響を受けた花柄のデザインなど新しい感覚のものも多く作られています。色使いはトルコ風に近く赤・青・アイボリーが一般的で、深みのある落ち着いた色調で和室にもよく合います。また、モテガレン=アザリ結び(トルコ結び)という結び方に特徴があり、ゴブラと呼ばれる独特なカギ針を使用して織られる緻密な織り目と正確な文様でも知られます。

ザンジャン

ザンジャンザンジャンはテヘランの北西部にある自然豊かな都市です。産業の中心地でもあり、大変発展していることでも有名です。文化的にも高いレベルにあり、優れたペルシャ絨毯の有力な生産地でもあります。

アルデビル

サファヴィー王朝発祥の地としても知られるアルデビル。古きその時代から、ペルシャ絨毯生産の伝統は受け継がれてきました。ウールの産出量が多い土地で、他の産地への供給も行います。シルクの地糸にウールパイルを使用した絨毯も多く、デザイン的には幾何学的文様が有名です。暗めの赤い色が上手く使われているのが特徴的です。

セネ

クルディスタンの州都、セネ。(現在のサナンダジ)ペイズリーとヘラティが代表的な文様と言えるのではないでしょうか。細かく並べられたペイズリーの文様は、同系統色の中で、微妙に色彩と大きさを変化させています。それが絨毯に不思議な動きを与えています。文様の間に繊細に描き込まれた木や花が、絨毯の美しさを引き立てています。

○イラン西部

サルーク

1920年頃までは、昔から受け継がれてきた、メダリオン(文様については下記で詳しく説明しています)を配置したデザインがほとんどでしたが、1930年から1940年にかけては、アメリカ市場を意識した、華やかな図案が多かったようです。実際、アメリカではサルーク絨毯が多くの方に好まれて使用されました。サルーク絨毯を
年代別に見ていくと、市場の要求に合わせた試行錯誤の跡がうかがえます。

ハマダン

標高2000mの高原に位置するハマダン。歴史のある古い町です。サファヴィー王朝時代から、ペルシャ絨毯生産の歴史を繋いできたハマダンですが、現在ではハマダン州とその周辺の絨毯集積地としての知名度が高まっています。

○ イラン中部

カシャーン

カシャーンカシャーンは、「美しいタイルの町」という意味をもつサファビー朝期に栄えた古い都です。
テヘランから南へ約260km、東のキャヴィール砂漠と緑地地帯にはさまれた小さなオアシス都市で、古くから絨毯とビロードなどの手織り絹織物の産地として栄えました。絨毯の文様には伝統的なメダリオンが多いのが特徴です。1930年から1940年頃作られた、中央に配されたメダリオンの中央に風景が描かれている斬新な絨毯が残されています。

カシャーンで作られる絨毯のおよそ80%はウールで、20%がシルクです。クムに絨毯作りを指導した産地でしたが、現在でもクムのような斬新なデザインの物はほとんどありません。
カシャーンの絨毯の良さは手間と時間を惜しまず、丁寧で糸にもやさしく指でしっかりと織るペルシャ伝統の「ファース結び」で織られている事で、そのため高品質で長持ちです。ですから、古くなってもいつまでも綺麗に使えるカシャーン産の絨毯には、イランの人々が信頼を寄せています。

イスファハン

イスファハンテヘランから南へ400kmほど、イラン第2の都市・イスファハンは、シャー・アッバス1世の時代(1587~1629年)からの歴史あるペルシャ絨毯の産地の一つで、またイランで最も美しい街で世界的に有名な観光地としても知られています。イスファハンは、イランの中で最も歴史の長い町で日本で言えばちょうど京都のような都市といえます。

多岐にわたるデザイン、個性的で鮮やかな色彩。昔も今も変わらず、イスファハンの職人たちが持つ技術には驚かされます。その品質の良さにも定評があり、上質のウールだからこそ出せる、繊細なカラーがイスファハン絨毯の最大の特徴となっています。伝統的なメダリオンデザインの他、樹木や動物が活き活きと描かれたもの、古都イスファハンの風景を絵画的に表したもの、躍動感あふれる動物と大自然の風景など、そのモチーフは数えきれないほどです。

このイスファハンは高級ウール絨毯として傑作、名品が多いです。繊細な色調と精緻な織りに加え、軽やかで精巧なメダリオンから広がる唐草文様が代表的なデザインとなり、色彩も艶やかで高級感に溢れています。
作り方の特徴としては最初に張る縦糸のシルクがあげられます。上質なウールの中に、細いシルクの糸を縦糸として使うことで、絨毯の織り方、結び方より細かくなり、絨毯の品質が上がります。

コム(クム)

コムさて、ペルシャ絨毯の代表的な産地として真っ先に上げられるのはクムGhom(Qum)。クムはテヘランの南約135kmに位置し、テヘランからは車で3時間ほど。町の周辺は、塩分のきつい砂漠(塩湖)が取り囲んでいるので緑も少ない場所ですが、この町は、イスラム教の始祖マホメットの娘ファティマを安置したハズラテ・マスーメの霊廟があり聖地として神聖な雰囲気があります。

コム(クム)は、シルク絨毯の産地として広く知られています。絨毯の生産が始まったのは1930年代と、それほど古くはありません。タイルデザインを得意とする中、動物や人物、花文様など、個性的なデザインの絨毯も積極的に生産しています。近年では、シルクの光沢を活かした淡い色を大目に配置するスタイルが注目されています。日本ではとても評価の高い絨毯です。

クムの絨毯の特徴は、なんといってもシルク、絹の産地としても有名なこの地では、現在作られるほとんどの絨毯は100%シルク製。「クムシルク」は高級ペルシャ絨毯の代名詞として、日本人にも広く知られています。ですが、クムの絨毯の歴史は1930年ほどからと他の絨毯産地から比べて浅く、シルク絨毯を織るようになってからはまだ80年ほどしか経っていません。

新興産地なので受け継がなければいけない伝統がないため、斬新なデザインに取り組んだり、他の産地の技術を積極的に取り入れたりできたのです。さらには、日本をはじめとしたペルシャ絨毯を輸入する国の柔らかい色味の好みを受け入れた柔軟な製作で需要を高めてきました。

このクムにあるラジャビアン工房はペルシャ絨毯を代表する有名な絨毯工房。高品質な絨毯を製造し、デザインにバラ柄を用いているのが特徴的です。緑、青、紺、赤、黄、ピンクといった日本人にも好まれる明るい色調の総柄が大部分を占めとても華やか。使用されている色糸は現在も天然草木染めの絹糸を使用しています。一方メダリオンを用いたデザインの絨毯は年間数枚程しか生産されていません。

ナイン

ナインイラン中央部に位置するナイン。小さなオアシスの都市です。1920年代よりイスファハンの影響を受けてペルシャ絨毯の生産が始まったそうです。正統派好みの質の高い典型的なデザインが主流ですが、色数を敢えて押さえた上品な物が特徴で、他の有名産地と区別ができるほどの美しさを誇ります。絨毯の技術はイスファハンから伝えられました。ですから今もシャー・アッバス・メダリオン・コーナー・デザインの絨毯が最も多く作られています。

同じ新興の絨毯産地であるクムとは反対に正統派好みの落ち着いた古典的なデザインを採用する事が多いのが特徴です。 特徴は伝統柄を用いる中にも「ナイン・ブルー」と呼ばれるブルーとベージュ(アイボリー)を基調とした穏やかで控えめな配色。またホワイトのシルク糸でモチーフの輪郭をデザインする手法も特徴の一つです。落ち着いた色使い、上質な織りは「ノーブル&エレガンス」の評価が高く、シックで優美さと気品があります。最近はナイン産の偽物が出現しているらしく残念なことです。

○イラン東部

ケルマン

ケルマン19世紀後半よりラバーの町で作られた絨毯は、ケルマンラバーとしてその名を知られています。ケルマンはあまり緑豊かな土地とは言えませんが、その地で作られる絨毯は、ケルマンの人々の願いを込めたように、美しい花模様に溢れているものが多く、芸術的価値も高いものです。

バルーチ

パキスタン国境が近いバルーチでは、トルコマンの絨毯を参考にするところから絨毯の生産が始まり、徐々にバルーチ独自のデザインが出来上がっていきました。文様は幾何学的なものが多く、派手さはありませんが、素朴で力強い絨毯となっています。赤を基調とし、ブラウン色を多く取り入れるところもバルーチ絨毯の特徴です。

○イラン南部

ギャッベ

ギャッベ絨毯の特性に、染色しない自然の羊毛の色をそのまま活かしていることがあげられます。白、オフホワイト、ベージュ、ブラウン、ダークブラウン、グレー、ブラックとペルシャ絨毯の中では極めてシンプルな色合いとなっています。また、そのデザインにおいても他地方で作られる絨毯に比べ、圧倒的にシンプルなものが多いことが目を引きます。豪華絢爛とは遠い位置にありますが、どんなインテリアにも合わせやすく、肌触りも抜群に良いギャッベは、とても人気があります。市場の注目を受け、羊毛を染めて作られる偽物のギャッベも数多く出回っているので、注意しましょう。

ヤラメ

美しい色彩と幾何学的文様が特徴的なヤラメ絨毯。イランの遊牧民族により作られています。縁飾りで囲まれたダイヤ型のメダリオンは、ヤラメ独特の文様。個性的なタイルデザインが目を引く絨毯です。

アバデ

標高2000mの高原に位置するアバデに暮らす人々の祖先は、そのほとんどが遊牧民族だったといわれています。
絨毯の中央にあるメダリオンの周りを、緻密な樹木や花で埋めているデザインは、他部族の絨毯と類似しています。こういったデザインは、フォース地方の遊牧民達の中で共通して使われているそうです。

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