ペルシャ絨毯の織り機のこと、ご存知ですか。

織り機

織り機には地面に水平に置かれた水平型織り機と、縦方向に吊るされるように設置する垂直型の織り機とがあります。

水平型織り機は、織り幅と密度に応じて地面に4本の杭を打ち、2辺に横木を固定し、たて糸を地面に平行して張ります。この機械は設置が簡単なので、多くは遊牧民によって用いられています。織り手は機を前に、地面にしゃがんで絨毯を織り始めます。織りが進むと織り上がった部分に自分が乗って織り進む事になります。遊牧民の場合、織りかけの絨毯でも途中で住居を移る場合もありますが、そのような場合でも固定を解いて織り上がった部分などを横棒に巻きつける事で出来上がり部分を壊さずにコンパクトにして移動できます。

垂直型織機は竪(たて)に固定された織機にたて糸を張る。この型の織機は作業がしやすく、人が並んで大きな絨毯なども織れるので、イランでは遊牧民を除いてほとんどの地域で、このタイプの機が使われています。垂直型の場合、手前(下)から織り進んでていくと、織り進むに従って「織っている部分」が上へと移っていきます。この場合、織機に特別な工夫がない場合、織り手を高い位置に上らせる手段が必要です。竪機の前の左右に梯子を向かい合わせに固定し、その梯子の段に板を渡して織り手がすわって作業が出来るようなベンチを作ります。作業箇所が高くなって来たら梯子に掛けた板も上の段に移して行きます。最終的には絨毯の縦の高さにまで織り手が上る事になりますので、大きなサイズの絨毯を制作する際には、織り手は不便な足場での作業になり危険でもあったようです。

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