ペルシャ絨毯はいつまでも美しい価値を持つ「老いてなお美人」
カシャン産のペルシャ絨毯の価値
女性ならだれでも美人に生まれたいものです、しかも年老いても「老いてなお美人」と尊敬を持って行われたとしたら女性冥利に尽きると言う物です。イラン人はカシャン産の絨毯を『年老いてなお美人』と言い、古くなっても何時までも綺麗に使えると珍重しています。カシャンでは、およそ90%位がウールの絨毯を、10%位がシルクの絨毯を生産しています。クムに絨毯作りを指導した産地にもかかわらず、生産量、売れ行きにおいてもクムに差をつけられている感がありますが、手間のかかる伝統柄の伝統工法をかたくなに守った絨毯は、クムを凌駕する品質なのです。それをイランの人は知っているのでカシャン産の絨毯は珍重されているのです。日本ではシルク絨毯が好まれますが、実はウールの質の良い絨毯はシルクを上回る手触りと価値を持って居ます。
品質の高いペルシャ絨毯は金と同じ位の価値がある
本場イランに有って手織りの良い絨毯は、金と同じ価値を持っています。古くて質の良いシルクやウールの絨毯は丈夫で芸術的価値も高くアンティークとして価値が下がりません。ですから絨毯は嫁入り道具として各部屋の雰囲気や家具に合わせて買って持参金扱いの様な形で持たせます。イラン人は絨毯に対する目が肥えていて本当の価値が見極められる人が多いのです。
ペルシャ絨毯にも当然善し悪しがあり価格には雲泥の違いがあります。まず織り子が誰であるか?産地近郊の農家が織るものや工房の新人織り子は普及品扱いです。工房の織り子は中級品を、熟練の織り子の織るものは高級品になります。一つ一つ手結びで織るものですから、慣れない織り子のものは柄が乱れて美しくないからですね。また染料が化学染料か天然染料かによっても価格は変わります。さらに織の密度も当然細かいほど高級品です。厚みは密度が細かいほど細い糸を使うので、当然薄くなって行きます。日本のデパートでは普及品で10万円以下、中級品で30万円前後、高級品は100万円以上となります。さらに製造してから50年以上たったオールドは1000万円クラス、100年以上たったアンティークですと青天井となります。
日本人は淡い色合いの絨毯を好みますが、踏んで使い続ける絨毯は少しずつ白っぽく光って日焼けもしていきますから淡い色合いは、投機的な意味で購入する場合は避けた方が無難です。
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