手織りのペルシャ絨毯がダニに強い本当の理由。

展示場やインテリアショップで見ると、とても気になる商品があります。
その代表例がペルシャ絨毯ではないでしょうか?　派手な柄が苦手だという人も中には居ますが、柄が落ち着いたタイプもあり、まるでモダンアートです。額縁に入れて飾りたくなるような、おしゃれなじゅうたんぞろいなので、インテリアにあれば格好いいなと思います。

しかし、ペルシャじゅうたんを素敵だと思っても、次の瞬間にきっとこう考えるのではないでしょうか?

「ダニが出る」

まるでじゅうたんはダニの温床といわんばかりに一部の人に攻撃されていますし、実際にじゅうたんを敷いている人が、ぜんそく、アトピー性皮膚炎になったという例も耳にします。

「じゅうたんは奇麗でおしゃれだけれど、手入れが面倒だし、ダニが心配」

という考えがある限り、どれだけ素敵なじゅうたんをイラン人が織ろうが、日本人は手を出さないはずです。ところでこのじゅうたん=ダニの温床という話は、本当なのでしょうか?

絨毯=ダニの温床は、機械織り絨毯にだけ当てはまる図式

結論を先に言いますが、機械で織ったじゅうたんには、ダニが発生しやすいです。単にデザインが良く安いからといってうかつに手を出すと、ダニが発生し、ぜんそくやアトピー性皮膚炎の原因になります。

しかし一方で、手織りのペルシャじゅうたんに関して言えば、ダニの発生は心配ありません。なぜこのような違いが生まれるのかと言えば、

機械織りのじゅうたんは、人間のふけや食べこぼしが目に詰まってしまう
手織りのじゅうたんは、人間のふけや食べこぼしが目に詰まらない

という単純なルールがあるからです。非常に重要なポイントなので、少し詳しく見てみましょう。

1、機械織りのじゅうたんは、人間のふけや食べこぼしが目に詰まってしまう

1日過ごした部屋を、ほうきで掃いてみてください。そのちりを一カ所に集めて、じっくりと観察してみましょう。きっとあなたや家族のふけや皮膚の剥がれた破片、さらにはクッキーの食べかすなどが集まっているはずです。

そうしたふけや食べかすは、機械織りのじゅうたんの場合、目にたまってしまいます。じゅうたんの目が立っているので、その目と目の間にすっぽりとふけが入ってしまうのです。

ふけを餌にするダニには格好の場所です。掃除機をかけたり天日干しにしたりしないと、次第にダニが集まってきます。じゅうたんの間には食べ物がたくさんあるからです。ダニが発生すると、今度はそのダニを食べようとする少し大型のダニが発生し始めます。その状態まで行くと危険です。じゅうたんをそのまま焼却炉に放り込みたくなるくらい、ダニが大量に繁殖しています。

しかも機械織りのじゅうたんは裏を見れば分かりますが、のりがべったりと伸ばしてあるので、叩いてもなかなかダニが落ちてくれないのです。通気性も最悪です。

2、手織りのじゅうたんは、人間のふけや食べこぼしが目に詰まらない

一方で手織りのじゅうたんは、違います。まず裏返してみれば分かりますが、のりがべったりと伸ばしてありません。通気性が極めて優れているので、ダニの発生が抑えられます。

裏にのりがないので、床暖房などの上にじゅうたんを敷いても問題はありません。のりが溶ける心配もないですし、床の暖かさがじゅうたんの布の中でとどまるので、すごく温かくなります。普通に床暖房を付けるよりも温かくなるので、極めて優れたリビングアイテムになるのです。

しかも、手織りのじゅうたんは、目が斜めに寝ています。裏面へと空気も通り抜けるので、ふけや食べかすがじゅうたんの中にとどまらないようにできているのです。餌がなければダニは集まりません。ダニが集まらなければ、そのダニを餌にする大型のダニも繁殖しません。常に安全な環境が、じゅうたんの上に作れるのです。